2005年07月18日

「オアシス」

「オアシス」
「オアシス」2002年韓国
★★★★★

前科3犯、刑務所を出所したばかりのジョンドゥ(ソル・ギョング)と四肢麻痺の障害を持つコンジュ(ムン・ソリ)を主人公に、社会から疎外された二人の純粋な愛を描いたラブストーリー。
2002年度ヴェネチア映画祭で、監督イ・チャンドンは監督賞を、ムン・ソリはマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。他にも数多くの賞を受賞している。

この映画が劇場公開される前、何かの番組で「この映画は、観るに耐えられなくて途中で席を立ってしまうか、最後まで見終わって席を立てなくなるかのどちらかだ」というの聞き、ずっと気になっていました。今年のG.W.にやっと観ることができたので、遅ればせながらご報告です。

この映画のすごいと思うところは、前科のあるジョンドゥや身体に障害を持つコンジュに対する家族や社会のあからさまな偏見を包み隠さず描いているところ。二人の純愛というキレイな面だけではなく、汚い社会の現実も目にすることができるのです。
ハリウッドや日本映画では悲劇のヒロインとして美化しがちなテーマを、自己満足な嘘で覆ってしまうのではなく、観る者にストレートにぶつけてきてくれたことに衝撃を受けました。「偏見」「差別」そんな言葉を職業上よく耳にするようになった今だからこそ、私の胸にさらに強く響いてきたのかもしれません。

主演の二人がこの作品で見せた演技は、演技とは思えないほど素晴らしいものでした。ヴェネチア映画祭で新人賞を受賞したムン・ソリは、演技のため半年間障害のある方と苦楽をともにし、ソル・ギョングも痩せたジョンドゥを演じることから体重を18kg近く減量したとのこと。このような体当たりの演技がドキュメンタリーのような現実味を感じさせてくれました。
そんな中「映画」だということに気付かせてくれたのが、コンジュの想像の世界のシーン。その世界では、彼女の身体には障害が無く、大好きな人と思いのまま自由に過ごせるのです。そんなコンジュの姿は、微笑ましい一方で、すごく切なく胸を締め付けられる思いを感じました。

「人間にとってとても大切なこと」を再確認させてくれるこの作品は、私にとってとても大切な一本になったことは間違いありません。

◆「オアシス」オフィシャルサイト
posted by KIBY at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | MOVIE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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